入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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考古学で読む「日本書紀

武蔵国造の乱”(大田区立郷土博物館編)より

◇ 博物館講座(平成6年2月27日)から 「毛野から上毛野へ」(群馬大学教授 梅澤重昭氏)〈8〉

「その根拠、理由を考えて見ますと、三角縁神獣鏡というのをご存じだと思います、三角縁神獣鏡が関東で見つかっているのは、下総、相模と、武蔵では多摩川の流域、それと最近は茨城県で1面見つかっています、三角縁神獣鏡を出土している古墳というのは、毛野の地域では渡良瀬川以西の地域に集中していまして、見つかっているのは13面、古墳の数にすると9基だったと思います」

「前橋天神山古墳は130mあるのですが、そういう大きな前方後円墳の中で、三角神獣鏡がわかっているのはこの前橋天神山古墳の2面なのです、ここでは他に3面の鏡があって、全部で5面あります、しかし、このような大きな前方後円墳前方後方墳の中でも、三角縁神獣鏡が出たのはこの前橋天神山古墳だけなのです」

「それでは、10数面の三角縁神獣鏡はどこにあるかというと、先程申し上げました弥生時代後半に無住だった地帯の周辺にあるあまり大きくない古墳、直径が10~40mくらいの古墳から出ています、「正始元年」銘の入っている鏡の出ている高崎の柴崎蟹沢古墳というのが、直径10数mであると言われています、そこから2面の三角縁神獣鏡が出ています、井野川を挟んで元島名将軍塚古墳の対岸1500m位離れている場所にある、この小さな古墳から三角縁神獣鏡が2面出ているわけです」

「その他にも富岡の北山茶臼山古墳、藤岡の三本木古墳、高崎の長坂古墳、それから玉村に芝根7号墳があります、あとは、栃木に近い方の板倉町に赤城塚古墳がありまして、この古墳からも三角縁神獣鏡が出ているのです、それらの古墳は皆直径が10数m、大きくて40mクラスの円墳で、そういう古墳から見つかっています」