入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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《戸田の遺跡》

◇鍛冶谷・新田口遺跡第2次発掘調査-12

(1次発掘調査報告併合)

戸田市鍛冶谷・新田口遺跡は標高5mという中期入間川(現荒川)の自然堤防の上に営まれた方形周溝墓群です、これらの四方溝に囲まれ、溝内から底部穿孔土器及び破砕された土器が出土する遺構を「墓」と判断することを助けるものに、次ぎのような同種遺構の発見があります

(ⅰ) 東京都八王寺市宇津木向原遺跡では方台部の土壙からガラス玉が発見され、(ⅱ)埼玉県さいたま市大宮公園遺跡でも方台部中央の土壙からガラス丸玉が出土、また、(ⅲ)長野県飯山市須多ヶ峰遺跡では、「第1号墓壙において、ちょうど勾玉を頂点とした三角形の位置に2個の鉄釧(くしろ)を発見したことは、あたかも、死者に着葬した装身具の位置を示すようもののようである・・・・」

(ⅳ)福岡県糸島郡前原町前原遺跡で割竹形の棺の存在が推定され、棺内から玉類が二群に分かれて出土し、さらに棺外から素環頭太刀一口および方格規矩四神鏡35面など合計42面の鏡の出土をみたこと、(ⅴ)石川県能美郡辰口町西山6号墳の方台部中央の土壙から「朱」が発見されていること

以上、これらの諸例から方形に周る溝、溝内から土器の出土するこの種の遺構は明らかに「墓」として認めることができます

鍛冶谷・新田口遺跡に於いても、鍛冶谷第1号方形周溝の方台部に主体部の存在、および、新田口第1号方形周溝の北溝内からの碧玉製管玉の発見は、これらを墓ととすることを充分可能にし、さらに、溝内からも底部穿孔土器や破砕された土器が出土しており、これらと同種の他の遺構もそのように認めてさしつかえないようです