入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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《戸田の遺跡》

◇鍛冶谷・新田口遺跡第2次発掘調査-13

(1次発掘調査報告併合)

鍛冶谷・新田口遺跡方形周溝墓からの出土土器の変遷を見てみますと、鍛冶谷第1号方形周溝墓溝内から発見された壺形土器は弥生時代後期の弥生町期に比定できます、この期に比定されているさいたま市大宮公園内の方形周溝墓から発見された壺形土器には、連続山形文が施され鍛冶谷の土器より若干古く見られています

新田口第1号方形周溝墓からは、各種の土器が出土していますが、これらの土器群は五領Ⅱ式の範囲に入るものです、特に、台付甕形土器にはS字状口縁を有するものもあります、また、さいたま市下加第4号住居址で五領Ⅱ式土器等と共に出土した弥生的な土器も混入しています、そして、鍛冶谷・新田口遺跡ではこれらの土器に伴って小型手ずくね様の土器も数多く発見されました

更に、この方形周溝墓で特に注目できる土器は高坏形土器です、この土器の中には、数条の沈線を有する脚部や、脚部と坏部の接合部に1本の突帯を有し、その突帯に棒状工具による刻目があるもの、脚部底が返され、その折返し部分に極めて細かい縄文をつけ、その端に刻目を有する、従来南関東では住居址中からあまり検出されなかったものの一群があります

これらは伊勢湾東岸から天竜川東岸にみられる極めて地域性の強い土器であり、その地方との交流を物語る重要な資料と云えます