入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

学び合い 〔仲間募集〕 ℡ 048-432-1433

蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

イメージ 1

イメージ 2

《戸田の遺跡》

◇鍛冶谷・新田口遺跡 第6次発掘調査-3

鍛冶谷・新田口遺跡 第6次発掘調査では、弥生時代後期の方形周溝墓1基、溝1本、土壙1基、18~19世紀頃と思われる江戸後期の土壙1基、堀跡1本が検出されました

検出された方形周溝墓は、溝や堀が後世に掘られており、コーナー部分の明確な検出ができませんでしたが、全体の形が辛うじて確認できました、形態は長方形で、推定面積は86・1㎡を測ります、開口部は1ヵ所で、西溝と北溝のコーナー部分に位置するタイプです、また、当遺跡内の方形周溝墓の特徴として壙中埋葬施設の存在をうかがわせる土壙状の掘り込みですが、本跡のそれも同じ様で東・西・北溝の3辺から検出されました

さらに、西溝については一段深くなった部分の底面から土器が出土しており、溝中の土壙が構築された段階での土器と考えられ、炭化物等の検出はないものの埋葬施設を想像させるものです、検出された土器が少なく時期の設定は難しいのですが、第2期の前野町式期のものと推定されます

今回の調査地点は、周辺地域での遺跡範囲確認調査の経過から同集落の南端部分に相当するものと思われます、そして(財)埼玉県埋蔵文化財調査事業団の調査において確認されている部分から測ると南北約120mに達する広範囲なものとなるようです

自然堤防という限定された地域で河川の氾濫など水の影響を受けやすいところに位置する、このような地域にあって幾重にも重なるように構築された方形周溝墓群を想像すると、古代社会に対する自然の厳しさの一面を感じとることができます