入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ケ谷の古を探る

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鳩ケ谷の古を考える

鳩ケ谷字稲荷前第1遺跡・坂下町2-537-1・2他地点調査

調査期間  平成元年8月22日~8月28日

調査地は鳩ケ谷支台南端部から100mと離れていない所で、旧入間川左岸の後背湿地にあります、標高約5mで南の低地へ向い下がっています、中世に遡る南北軸の溝跡1条と、覆土中より中世の常滑産甕の破片などが出土しました

調査地の北には鳩ケ谷支台の南端部がありますが、支台の裾にはこれに沿うように西から東へ、近世以来周辺一帯の主要な農業用水であった見沼代用水が流れています、調査地の西側350mの旧日光御成道にかかる吹上橋の東たもとからは南部一帯の水田を潤した平柳用水が分流し、150m東側にも赤井分水の取水口があります、この見沼代用水は1728年に完成された農業用水ですが、その前身として淵江(4ケ領)用水路があり、さらに、先の平柳用水系も見沼用水完成以前から既に存在していたことは、各種の中世遺構から想像されています、周辺の低地には見沼代用水完成以前から、北から南へ用水が構築されていたようです

調査地は北から南に標高を下げ湧水が激しい後背湿地です、この調査で検出された溝跡は、西の平柳用水と平行して直線的に延び、しかも、その等高線に直行しており底部を基礎層となる砂層まで掘り込んでいます、また、調査地ではこの溝だけが単独で検出されており、その性格は作物栽培や居住区域の区画溝とは考え難く、出土遺物の年代から15~16世紀の用水路跡と推定されます