入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ケ谷の古を探る

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鳩ケ谷の古を考える

里字屋敷添第3遺跡・里字深町1598-1他地点調査

調査期間    平成15年7月7日~8月29日

この調査地は、国道122号線の地下を走る埼玉高速鉄道の鳩ケ谷駅西口に程近いところです、鳩ケ谷駅と駅前整備着工以前は、この周辺は農業用水が流れ、水田や畑が一面に広がるのどかな田園地帯でありました、しかし、今回の調査で、我々の知らなかった過去の状景が明らかになりました、水田は江戸時代の中頃以前に地面を削り造成されたことが確認されました、なぜなら、今まで見慣れていた水田の下から約700年前からの室町・戦国時代の井戸跡や溝などの先人が生活した跡が発見されたからです

水田が開発される江戸時代以前は、ここで中世に生きた人々が生活を営んでおり、今までとは違った風景が広がっていたようです、今はビル街となりつつありますが、その直前は水田が広がる田園風景、さらに、江戸時代以前の室町・戦国時代は人々が生活していた居住地であったことが確認されました

調査では、中世の遺構として、溝跡7条、井戸跡が8基、近世の遺構として溝跡が8条が検出され、このうち中世に属すると考えられる幅1mでほとんど掘り込みがない1条の溝跡は道状遺構とも推定されます、井戸跡は開口部の直径が2mを超えるものが多く、他に中世から近世にかけての土坑が8基、小穴が242基検出され、小穴には柱痕跡を有するものがあります

遺物としては中世の常滑窯系陶器の甕・鉢、瀬戸窯系陶器、伊勢系羽釜、カワラケ、近世の肥前窯磁器、そして、砥石・鉄滓の他、平安時代の須恵器片などが出土しています