入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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川口の古を考える

天神山遺跡第2次調査・大字赤井字台546-1 [3]

◇硯・瓦

(1)は須恵器甕の破片利用の硯です、台形状に打ち欠き面取りをしており、甕の内面を硯面として利用しています、かなり使い込まれており、磨耗が激しく、檫痕がいたるところにみられます、墨汁痕が多く付着しています

(2)は平瓦です、器厚約3cm、胎土は黒灰色で小石等を含むが、焼成は良好です、表面には布目痕が、裏面には縄の叩き目痕がみられます、側面は丁寧に面取りされており、ナデ調整を行っています

(3)は丸瓦です、表面はナデ調整を行っており、裏面には布目痕がみられます、胎土は比較的精選された灰白色を呈しています、覆土より出土しています

他に包含層より平瓦の破片が10点程出土しています、それぞれ縄、撚糸の叩き目が施されています

◇金属製品

覆土中及び床面から鉄製品、銅製品が出土しています

(1)から(7)は鉄釘です、遺存状態は比較的良好で、頭(かしら)部分は破損しておらず、残存しています、(1)・(2)は折釘で、先端は鋭利に切られています、長さ約12.5cm(約4寸)、厚さ約8mmです、(3)は切釘で、先端は切り取られて台形を呈しています、長さ約12.6cm、厚さ約5mmです、(4)・(5)は頭巻(かしらまき)釘類です、台形の頭が造り出されています、長さ約9cm、厚さ約1cmです、(6)・(7)も下半分を欠くが、切釘の1種です

(8)は鉇(やりかんな)で、茎の先端を一部欠くが、ほぼ完存しています、刃部は甲中央に鎬(しのぎ)を持ち両刃に造られており、裏面に向かって大きく湾曲しています

(9)は用途不明ですが、刀装品の一種のようです

(10)は鎹(かすがい)のU字状の製品です、両先端部は鋭利になっています、長さ7cm、厚さ約1cmです

(11)は銅椀の一部です、厚さ約1mmです

(12)は手斧です、長さ8.6cm、刃幅3.5cmの鍛造の無肩式手斧です、厚さ3mm程の鉄板を折曲げて内寸2.5×1.0cmに中空の袋部を造り出しており、袋部は全体の1/2を占めます