入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

学び合い 〔仲間募集〕 ℡ 048-432-1433

俳句つくり 余情

”あけぼのの茜の雲に秋立ちぬ”

暑い、暑いと言いつつも少しずつ秋の気配がみえるようです、偶然にも「あ」で始まる言葉の俳句になりました、自分は、余り技巧に走る句は好まないのですが、言葉を選んでいるうちにこれが一番良いようなので決めました

”秋立ちぬ空つかのまの宙となり”

そして、空は、ほんの一瞬ですが、抜けあがるように晴れました、まるで宇宙の中へ迷い込んだようでした


8月から9月の好きな名句です

”新涼の身にそふ灯影ありにけり”          久保田万太郎

”別るるや各々にある月の道”            田中正城

”秋風や秤にかかる鯉の丈”             芥川龍之助

”芋の露連山影を正しうす”             飯田蛇笏

”降り足らぬ残暑の雨や屋根の塵”          永井荷風

曼珠沙華抱くほどとれど母恋し”          中村汀女

”縁日の灯のはてかなし早稲の中”          佐野まもる

”秋鯖や上司罵るため酔ふ”             草間時彦

”おさえねば浮き出しそうな良夜なり”        平井照敏

”裏富士の月夜の空を黄金虫”            飯田龍太

”海霧(ガス)のなか別離うつむくこともせず”    寺山修司

”ひとの子を濃霧にかえす吾亦紅”          橋本多佳子

”やわらかき身を月光の中にいれ”          桂のぶ子

”虫籠に虫いる軽さいぬ軽さ”            西村和子

”ばった跳ぶときどき月へ跳びにけり”        仙田洋子


追伸 9月25日~10月1日まで遠地へ行きますので、休みます