入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

学び合い 〔仲間募集〕 ℡ 048-432-1433

俳句つくり 余情

”新涼や耳の穴毛の一二本”

すこし涼しくなり、むさ苦しい老人となってはいけないと思い、鏡に顔を映してみたところ、耳の穴から毛が覗いていました、子供の頃、爺さんの耳から毛が出ているのを見て、すごく不思議な気がしましたが、早、自分もその年になっていることを実感しました

”出迎えのママの手に揺るネコジャラシ

幼稚園のわが子の帰りを待っている若いお母さんが、ネコジャラシを手にもち揺らしながら、ひとり物思いにふけっているようでした、幼少のころを思い出しているのかもしれません、幸せな家庭を想像しましたが、どうでしょうか


8月から9月の好きな名句です

朝顔につるべとられてもらい水”            加賀千代女

”月の夜や石に出て鳴くきりぎりす”           加賀千代女

”ふはとぬぐ羽織も月のひかりかな”           夏目成美

”あさ顔や小詰役者のひとり起”             炭太祇

”鯛は花は見ぬ里も有けふの月”             井原西鶴

”月や空いよげに見ゆるすだれごし”           田捨女

”霧よりもよわきちからや柳の葉”            有井諸九

”月を笠に着て遊ばばや旅のそら”            田上菊舎

”虫の音や月ははつかに書の小口”            加舎白雄

”この秋はわれもこうよと見て過ぎぬ”          加舎白雄

”川風や灯火消えて蚊屋の月”              幸田露伴

”筒袖や秋の柩にしたがわず”              夏目漱石

”秋の江に打ち込む杭の響きかな”            夏目漱石

”ある僧の月も待たずに帰りけり”            正岡子規