入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

  古谷流路跡や細道(旧道)を探し歩きます
 
◇ 高稲荷古墳跡地付近 11
 
埋葬主体の基本的な構造が、木棺を中心にして粘土を用いたものであり、「粘土槨」または「木棺の粘土床」と呼ばれるものであると推定されることも高稲荷古墳が古式の様相を示していることを物語っています
 
粘土槨は、遺骸を納めた木棺を粘土で被覆して土中に埋葬する方法で、粘土床上に木棺を安置して土中に埋葬する方法よりもやや複雑な構造をもっています、高稲荷古墳の粘土施設の残存状況から判断すると、長さと幅が一般の粘土槨より小さく、むしろ木棺の粘土床と見たほうがよいでしょう、いずれにしても棺は腐朽して残存していないから、残存している粘土の構造によって元の姿を復原してみる必要があるでしょう
 
粘土床をもつ木棺を埋葬主体として採用している古墳の例は、特に関東地方ではいずれも古式古墳であって副葬品も少ないのが特徴です、高稲荷古墳の副葬品が、埋葬主体の破壊によって失われているとは云え、大刀の小破片のみというのはもともと副葬品が極めて少なかったとも考えられます
 

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