入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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金錯銘鉄剣(辛亥銘鉄剣)と埼玉(さきたま)古墳群 [50]

埼玉古墳群の全容 ⑬

◇ 将軍山古墳ー5

蛇行状鉄器は全国で8例ありますが、2例が将軍山古墳からの出土で、馬冑は将軍山古墳以外に和歌山県大谷古墳から出土しているだけです、馬冑は朝鮮半島で多く出土しており、製作技法から朝鮮半島産といわれています

銅鋺は仏具のひとつですが、これらの出土遺物は、被葬者が朝鮮半島産の文物や仏教という最新の思想に接する立場にいたことを物語っています、被葬者はたんに武人だけではなかったのでしょう

また、主体部とは別ですが、第2の埋葬施設と思われる木棺を直接埋葬した墓壙が確認されています、墓壙は東西2・3メートル、南北1・5メートル、深さ90センチで、両小口に緑泥片岩を置き、その上に長さ180センチ、幅50センチの木棺を安置し、粘土と緑泥片岩で安定させています

その副葬品は168個のガラス玉だけでした、横穴式石室とくらべると雲泥の差があることから、被葬者は横穴式石室に葬られた人物と血縁関係にあった女性が想像されます

将軍山古墳の造営年代は、出土須恵器がTK43型式の特徴を示していることから、6世紀後半と思われます