蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

◇　蕨の歴史ー１７０

秀吉が関東出馬の意向を表明したのは天正１３年６月のことで、北関東の佐竹・宇都宮・結城の諸氏に関東出兵を告げ、また８月１日には太田三楽斎資正にも関東出馬の予定を報じていました、秀吉は天正１３年７月、従一位関白に昇進、翌１４年５月、後北条氏の最大の同盟者で、秀吉と対立していた徳川家康に、妹の朝日姫を嫁がせ、宿願の家康上洛を実現させて服属を誓わせました

後北条氏領国の北に位置する上杉影勝が秀吉に臣従し、次いで同１４年１１月ごろ、秀吉が氏政に発した「関東惣無事之儀」という私戦停止令により、後北条氏の孤立化は顕著になりました

こうして、後北条氏と豊臣秀吉との衝突の危機は次第に高まり、後北条氏は氏政・氏直父子を中心に、一門と家臣団をあげて強力な対豊臣策を講じていきました、後北条氏の臨戦体制は、直接的には領下農民に対する根こそぎ動員による小田原本城や、各支城の普請を活発に実施することによって表れました