入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ケ谷の古を探る

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鳩ケ谷の古を考える・三ッ和遺跡・八幡木2-6-3、4地点調査

<各時代の遺構を見てみる>

古墳時代前期】

古墳時代前期の遺構と認められるのは、第1~3号周溝墓の3基、第3・5・8号溝跡の3条と第20号小穴です、第3号溝跡は一辺の長さ約6~11メートルの掘り込みの浅い四隅などを切る方形周溝墓の一辺とも推測され、第5号溝跡の場合は、小溝区画による平面空間を意識したものと考えられます、第8号溝跡は、残りが断片的なため不明です

第20号小穴は、単独なためその用途は不明です、周溝墓としては3基が認められ第1号は一辺15メートルの大型で、第2号は一辺11メートルの残存範囲内では一隅を切る形状と推測されます、第3号周溝墓は形状的に異なりやや歪んだL字状を呈する溝を中央陸橋を境に左右対称に配するものです、その規模は長軸12メートル、短軸7メートルと推定され、定型化した方形が崩れたものです

周溝墓の主な出土土器については、第1号において小型器台と小型丸底坩がみられ、前者は浅い皿状の受部を呈し、後者は長く大きく開く口縁部に対し体部が極端に小さくなる形状を呈しています、第2号では、個々の特徴を有する土器はなく、壷、甕、高杯がみられるのみです、第3号では、複合口縁壷とS字状口縁鉢がみとめられ、前者は幅広の複合口縁で頸部から口縁にかけて「逆ハ」の字に開き、頸部のくびれは鋭く、球形の胴部を呈しています、後者は、S字状のくびれがゆるやかになるものです、土器はおおむね五領式の新しい段階に収まるものです、土器の年代観とも併せ周溝墓の造営は、連続的に世代交代とともに行われたもののようです