入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ケ谷の古を探る

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鳩ケ谷の古を考える

約1万3千年前、地球は全体に温暖化し、1万年前には現在とほぼ同じ気候となりました、地質学でいう更新世から完新世への移行に伴う温暖化で、自然環境は大きく変化しました、氷河が溶けて海面が上昇した結果、日本列島は大陸から離れて独立しました

植生も温帯森林を主体とするクリ・クルミ・トチなどの種子やドングリ類、ヤマイモなど植物性食料が採れる豊かな森に変化しました、動物も、マンモス・ヤギュウ・オオツノシカなどの大型獣は絶滅し、温帯森林に棲むリス・ネズミ・ウサギ・シカ・イノシシ・などの哺乳類、キジなどの鳥類を主体とする動物層へと交代しました、また、海水面の上昇は海岸線を内陸部へ侵入させて、内湾を形成させ、河川が運んだ栄養分を含んだ水や土砂は魚介類を繁殖させました

豊富な食料資源は、人々の生活を大きく変えました、春夏秋冬の季節に合わせて、狩猟・漁猟・採取活動により食料を獲得することが可能となり、保存加工や貯蔵の技術の獲得は、それまでの遊動の生活から定住の生活を可能にしました、定住生活と密接にかかわりあっているのが、新しい道具の登場です、その代表は土器の出現であり、縄文時代の始まりの目安となっています、縄文時代は大きく草創期、早期、前期、中期、後期、晩期の6期に区分されており、約1万年間続きました

土器の出現は、煮炊き料理を可能にして栄養価を高めるとともに、衛生上の安全さをもたらしました、また、煮沸してアク抜きしなければ利用できないナラ類などの堅果類を、食料として利用することも可能にしました、弓矢の出現も、温帯森林に棲む中型獣や鳥類の捕獲に威力を発揮し、木の実の加工に石皿、たたき石、すり石が普及しました、木の伐採や加工には磨製石斧が使用されるようになり、住居の建材や木製品の製作に力を発揮しました、また、大木から丸木舟を製作することもできるようになり、沼地や外海に漕ぎ出すことも始まりました