入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ケ谷の古を探る

米づくりの技術をもたらした人々・弥生人について考えてみる

<稲作の始まりとつたわり>

再び「稲作渡来民」(池橋宏)に戻ります -陸稲水稲

従来より、華北から朝鮮半島北部に雑穀の農耕があり、陸稲もその一部であった、稲作がその陸稲によって伝播したという考えがあった、しかし、池橋は、農耕の常識として、畠作の穀物があるのに、畠にわざわざ陸稲を栽培することは大いに疑問があるとする

陸稲旱魃に弱く、畠栽培ではいもち病にかかりやすい、水田で栽培されるイネと違って、土壌中の燐酸などが利用されにくいため、ムギや陸稲は肥料をやらなければ収量は激減する、また、陸稲は湛水の状態でないと、病菌の残存によって連作障害が大きくなる、畠では湛水による保温効果がないから、寒冷地での生育は遅れ、冷害の危険が高い、イネは他の畠作物より寒さに弱い、イネの畠作には2重、3重の弱点がある、かっての日本の東北地方の畠作地帯の農民もコメが欲しかったにもかかわらず、畠では陸稲ではなくヒエやアワを栽培したのもそのためであるというのである