入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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俳句つくり 余情

”新盆の灯りのかげにかげろうが”

新聞のコラムからの句です、老夫婦が息子さんの新盆の夕飯を終え、一息して、ふと、灯りに目をやった時に灯りの笠のかげに、はかなげなカゲロウがとまっていたそうです、年老いた奥さんは、息子が戻って来たのではないかと嘆き、つぶやいたそうです、その夜はそのままにして休み、翌朝、笠を見ると前のとおりにカゲロウはいたそうです、老夫はカゲロウをそっと小さな箱に入れ、墓に持って行こうときめたそうです

炎帝も休みおるかやどじょう鍋”

連日の猛暑もちょっと止み、くもり、少雨があるようになりました、盛夏を司る神様もどじょう鍋でも食しているのか、自分もどじょう鍋をつついてみたくなりました


自分の好きな7~8月の名句です

”涼風を腹一ぱいの仁王かな”             永井荷風

”稲妻や世をすねて住む竹の奥”            永井荷風

”天寿とは昼寝の覚めぬ御姿”             阿波野青畝

”うすまりし醤油すずらしく冷奴”           日野草城

”ごろごろと氷のうの中雷走る”            上野泰

”蝉時雨子は担送車に追いつけず”           石橋秀野

”すずしさは写楽のあごのあたりより”         丸山哲郎

”いふまじき言葉を胸に端居かな”           星野立子

”路地涼しお駄賃の語生きていて”           中嶋秀子

”炎天へ打って出るべく茶漬飯”            川崎展宏

”通り雨そっと握った蝉の抜け殻”           夏目雅子