入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

学び合い 〔仲間募集〕 ℡ 048-432-1433

俳句つくり 余情

”家去る日いつものように紫陽花が”

新聞のコラムから作りました、事情があって、年老いた女性が永年住み慣れた家を後にする時、ふと振り返ると、そこにいつものように、紫陽花の花が咲いていたという話です、変わらないようでも少しずつ時が移ろうはかなさでしょうか

”五月雨や厨の音の耳障り”

これは自分の事です、つゆに入り、外は静かに細かい雨が降っています、色々調べものをしたり、本を読んでいると、台所からの諸々の音がして気になってしょうがない、というところです、広い大きな家ならばよいのですが、小さなマンションですので仕方がないのですが

”なめくじら玄関に来て梅雨に入り”


好きな六月、五月雨、つゆの候の名句です

”青すだれ裏畑の花を幽かにす”        芥川龍之助

”曇天や蝮生き居るびんの中”         芥川龍之助

”蝙蝠やひるも灯ともす楽屋口”        永井荷風

”六月の女すわれる荒筵”           石田波郷

”青梅の尻うつくしくそろいけり”       室生犀星

”くもの糸一すじよぎる百合の前”       高野素十

”かはほりの群れて月夜の熱き風呂”      福田甲子雄

”かたつむり甲斐も信濃も雨のなか”      飯田龍太

”単衣きりりと泣かぬ女と見せ通す”      鷲谷七菜子

”半紙ほど昼餉広げて草刈女”         榎本好宏