入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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赤山陣屋遺跡・川口・江戸時代

江戸時代の赤山陣屋の遺物は、大半は堀跡からのもので、それも、南堀東半分からのものが非常に多いようです、同じ南堀でも土橋を挟んで西側からの出土は少なかったことを考えると、土橋から東側に多量に遺物を廃棄する要因があったことになります、しかし、南堀は表側に位置していることから外部から目立つことになり廃棄場所としては必ずしも適しているとは云えないでしょう、したがって出土した遺物の殆どが赤山陣屋そのものが放棄された時の一括廃棄によるものかもしれません

遺物全体を見てみると陶磁器が中心で、磁器では碗類や皿類など食膳具、陶器は碗類、皿類などの食膳具の他、鉢類や鍋、壷類などの調理具、さらに、灯明皿や灯明受皿といった灯明具、土器類は暖房具と灯明具などといったように材質によって用途に偏りがみられます、そして、鉄製品、石製品の出土も多くみられます、鉄製品では煙管が多く、煙管は17世紀には赤山陣屋に移入され18世紀前半にはかなり多く使われていたのでしょう、このような特徴の多くは江戸府内の大名屋敷の出土遺物の様子と殆ど同じです、ただ、江戸府内の場合に多くみられる瓦の出土は少ないようです、転出時に運び出したとも考えにくいことから赤山陣屋では瓦葺きが少なかったようです