入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

約4千年前の古期利根川の流路変更-1

加須低地の地下地質

現在の荒川低地を流れ下っていた古期利根川は古期荒川も支流とし、現在の荒川の流量とは比較にならない膨大な流量で、山岳地帯の融氷雪水もあわせ相当な流量の大河だったのでしょう、しかし、それがある時期に中川低地へと流路を変えるのです

近年の高速道路、鉄道建設工事は地盤の地質調査を綿密に行いますが、それにより荒川低地と中川低地の地下には深さ30~40メートルに達する埋没谷地形があり、かって大きな峡谷があったことが判っています、ところが現在の利根川に沿う加須低地にはそんな大きな谷跡は見あたらないのです

このことはかっての利根川が加須低地流れて大きな谷を刻んだ事実がない、つまり、利根川はかっては他のところ(荒川筋)を流れていたことを示すのでしょう、洪積層基底の時代、すなわち、最終氷期のの海面最低下期(2万年前)に加須低地地域を古期利根川が流れていた形跡がないのです

古期利根川は古期荒川と合流し荒川低地を流れ下り、古期渡良瀬川は古期思川と合流して中川低地を流れ下り、それぞれ大峡谷を形成していたのでしょう、そして、川口市の東方で2つは合流した後、現在の東京湾の方に延びていったのでしょう、この川は古東京川と呼ばれている東京湾の海底下に埋没している2万年前の河谷です、当時の海面は今より100メートル位深ったので、その深さまで河谷は続いています、ちなみに、古東京川の河口は東京湾口の浦賀沖と考えられています