入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

〔川口の遺跡〕

◇ 東・上ノ台・道合久保前遺跡-8

国道298号(東京外郭環状道路

新設工事に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書 平成元年

〔遺跡各説・上ノ台遺跡①〕

上ノ台遺跡は、東西210m×南北70mの範囲が調査対象区域とされました、そのうち既存道路約1000㎡を除く12600㎡について発掘調査を行いました、その結果、先土器時代及び江戸時代の2時期を中心とする良好な遺構・遺物が検出されました、以下その概略を記します

◇先土器時代

遺構は、5ヶ所の石器集中箇所並びに5基の礫群を検出しています、またこれに伴い、ナイフ形石器、削器、剥片などの石器が出土しており、その数は約3000点に及びました

縄文時代

縄文時代に関する検出遺構は柱穴群ー1、土坑ー7、炉穴ー1、を確認しました、遺物は鵜ヶ島台式、茅山上層式以降期を中心とする早期貝殻条痕文系土器がその主体を占め、他に田戸下層式と思われる沈線文系土器、前期緒磯b・c式、十三菩提式、中期勝坂式、加曾利E式、さらに称名寺・堀之内式期を中心とする後期土器群が出土しています、また、石鏃、打製石斧、磨石、石皿などの石器の出土まみられました

◇中世

遺構の検出はありませんでしたが、東遺跡同様若干の遺物が確認されています、すべて、小破片です、瀬戸窯・窖窯期の灰釉小皿、天目茶碗、山花碗系の炻器質の鉢などの国産陶器、並びに中国竜泉窯系青磁印花文皿片の貿易陶磁の出土がみられました、また、板碑片も出土しています