入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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《戸田の遺跡》

◇鍛冶谷・新田口遺跡第2次発掘調査-8

(1次発掘調査報告併合)

新田口第3号方形周溝墓(図版十二)(第12図の3)は第1次調査の時は周溝の一部分が発見されていましたが、その時点では拡張することができませんでした、第2次調査において、その部分を拡張した結果、方形周溝墓となり得る周溝になりました、しかし、この第3号方形周溝墓は遺憾ながら三分の一程度しか調査できませんでした

東溝の内側および外側の壁はほぼ直線的ですがコーナーのカーブは大きな円弧を描き、南溝は内外とも張り出し、そして、第5号を切っていますが、東溝は中間部よりややコーナー寄りを第6号周溝に切られ、さらに、方形のピット2.00×0.60m、深さ0.60mで切られ、一部分であるが張り床の住居址のように粘土が周溝の上に厚く張られています

周溝の幅はコーナー部で若干細くなり、東溝で0.70m、南溝で0.50mを測ります、深さは0.30mで平均されています、方台部には、この第3号方形周溝墓とは別な遺構があります、粘土を暑さ10cmぐらいに張りつけて、そこに円形および方形のピットを穿っています

この第3号周溝附近には国分期の土師器の細片も散布しており、この方台部上には時代の下降した遺構があったものと思われます、なお、第3号方形周溝墓東壁の一部を切っている方形ピットは粘土の張り床状のものの下に入り込んでいました

周溝内からは壺形土器・台付甕形土器・器台・広口小型壺の破片が、酸化鉄と黄色粒子を含んだ茶褐色土層から出土しています