入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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《戸田の遺跡》

◇鍛冶谷・新田口遺跡第2次発掘調査-6

(1次発掘調査報告併合)

新田口遺跡第1号方形周溝墓は新田口公園北隅に発見されました、東溝は区画整理で設けられた4mの道路の下に入ってしまい調査することができませんでした、周溝は北溝の外側が乱れ、西溝は中央部が若干張り出しています、これらに対して南溝は直線的です、内側方台部のコーナーは丸いが、壁は直線で、全体プランは隅丸方形を呈しています

規模は南北10.7mを測ります、周溝の最大幅はそれぞれ北溝1.00m、南溝0.90m、西溝1.60mを測ります、周溝の掘り方は方台部をほぼ垂直に掘り外側はやや傾斜をもっています、溝底は一様でなく、北コーナー附近で北溝溝底から20cm掘りこまれ、底は平らです、また、南溝底は長さ3.50mにわたり堀り込みがありますが、その底は平らでなく中央部に幅0.70mの掘り込みを有しています、北溝底は西コーナーから東進するにしたがい階段状に深くなっていき、コーナーから2.50mで最深となりここから上がり出し平らになります

第1次調査の時にも、土器が二層にわたって出土することが指摘できましたが、第2次調査においても明らかに二次的な溝が掘られていることがその断面で確認できます、方台部は、南北8.80mを測り概して平らです、主体部と思われるような状態での出土はありませんでした

遺物は、すべて溝内から出土しましたが、明らかに溝底にすえ置かれたと思われるような状態での出土はありませんでした、しかも土器の出土は西溝内の酸化鉄・黄色粒子を含む茶褐色土層から多く出土し、その器形も壺形土器・甕形土器・鉢形土器・手づくねの小型壺形土器・器台形土器・高坏形土器など、その器形も様々です、北溝内では西溝と同様、茶褐色土層から器形土器・台付甕形土器など出土しましたが、特に、これらと共に碧玉製管玉が流れ込んだ状態で出土しました

南溝では最下層の暗褐色粘土層から壺形土器の破砕されたものが一括出土しました、この他二次的に掘られたと思われる溝からの出土は西溝の断面にかかっていた甕形土器のほかは破片が多いです