入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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《戸田の遺跡》

◇南原遺跡第9次発掘調査-10

溝跡は調査区の全域に31条が分布しています、概して古墳時代の遺構を切っているものが多いです、平面形は直線状・弧状が主体ですが、L字状を呈するものもみられます、断面形は逆台形が主体で、32・33号溝跡のようにV字状を呈するものもあります、規模は1m以下のものが中心で、幅0.5~0.6mがもっとも多く14条、1m以上のものは4条に過ぎません、深さは0.5m以下で、0.6mを超えるものは6条あります

遺物はいずれも少量で破片が散漫に出土し、集中部はありません、器種は、古墳時代の土師器甕・壺・高坏等のほか、平安時代の須恵器坏・甕・壺、陶器片があります、これらの遺物と重複関係から、3・7・11・12・16・18・19・21~23・25・27・30号溝跡が古墳時代前期から中期、14・15・32・33号溝跡は中世以降と推定されます

ここで、特に注目されるのは断面形がV字を呈する32・33号溝跡です、これらは5・6次調査でも同様の溝跡(5次ー1・2号掘、6次ー1号溝・1・2号掘)が検出されており、規模・主軸方向も本調査と同一であることです、また、本調査区の検出位置からすると、32・33号溝は6次ー1号溝・1号掘と連続することが推定され、5次ー1・2号掘に繋がる可能性が高く、実に長大な溝あるいは掘であることが分ります

これについては中世の佐々目郷との関連性が考えられますが、明確な証拠となるものはありませんでした