入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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《戸田の遺跡》

◇南原遺跡第9次発掘調査-8

周溝墓は調査区南東を除くほぼ全域に13基が分布しています、検出状況は3号周溝墓が区域内にある周溝墓(1・8・9・10・12・14・15号周溝墓)を全て切っているので、これら周溝墓より新しい、一方、6・13号周溝墓、9・10周溝墓が重複、入れ子状に重複してはいるが、1・13号周溝墓、7・8号周溝墓などは一定の距離感持って構築されています

また、同一区域内に存在する竪穴住居跡と重複するものも多いが、明らかに竪穴住居跡に切られる周溝墓は確認されませんでした、このことはおそらく集落の内の墓域を移転させてから墓域が設定されたものと考えられます

平面形は隅丸方形(胴張り)が大半を占め、直辺を有するのは3号周溝墓のみです、また南に開口する中央陸橋型が主体を占めるのも特徴です、周溝の断面形は箱形が大半で、3号周溝墓のみが断面形で三角形を呈しています、長軸長で約9~11m、14m、24mに3分されます、周溝は幅が概ね約1m、3号のみ3mと大きく、深さは最大で1mです

遺物は概して少なく、大半は周溝の1・2層から散漫な出方をしています、器種は壺(複合口縁壺・広口壺)が主体で、甕・鉢・高坏・器台・小型土器(壺)がみられます、底部を穿孔する土器はありませんが、11号周溝墓では赤彩が施された大型壺が出土しています

出土土器は弥生時代後期終末から古墳時代前期初頭に位置づけられます、ただし、3号周溝墓は他の周溝墓、竪穴住居跡よりも切りあいが新しく出土した土器は古墳より新しい土器を含まないことから古墳時代前期末から中期の時期が想定されます