入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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《戸田の遺跡》

◇南原遺跡第9次発掘調査-7

南東部では土師器坏3個体、壺・小型壺各1個体が完形で出土しています、壺・小型壺は周溝の溝底から、互いの底部が向き合って出土し、土師器坏は3個体がテラスの端に、全て上向きに置かれていました、土師器の小型壺・坏は赤彩されています

こうした出土状況から、これらは祭祀儀礼に使用されたときの状況と考えられます、土師器坏はいずれも鬼高Ⅰ式に相当します、年代観は2号墳は円筒埴輪から5世紀後葉から末葉頃の築造と推定されます、1号墳は2号墳との位置、周溝の形態、覆土と周溝底面で出土した壺の特徴から、ほぼ同時期と推測して大過ないと考えられます

竪穴住居跡は調査区のほぼ全域に分布していますが、重複が著しく住居プラン全体を確認できたものはありませんでした、住居跡同士が2~3軒単位で重複している場合が多く、なかには内包されているものもあります、また、同一域内の周溝墓と重複するものも多いようです、住居の平面形は概ね方形・隅丸方形です

竪穴住居跡の遺物は大半が覆土の中に散漫な分布の仕方をしており、床面からはわずかしか出土していません、土器は破片が多く復元できる個体も限られます、器種は壺・甕が主体でS字甕、タタキに類似する刷毛目が施された甕も認められました、その他に高坏、器台、坩、小型丸底壺、小型土器(手こね土器)があります、これらの出土土器は弥生時代後期終末から古墳時代初頭・前期後半に位置づけられます