入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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《戸田の遺跡》

◇南原(高知原=たかちぱら)遺跡第5次発掘調査-6

第5次調査は、これまでの調査地点からは約200mほど東にあり、やや傾斜する自然堤防の縁辺付近に立地します、検出された遺構は住居跡11軒、土壙3基、溝6本、掘3本、ピット群3群です

住居跡は古墳時代前期前半に位置付けられる五領Ⅰ式期10軒(第1~10号住居跡)、五領Ⅱ式期の住居跡1軒(第11号住居跡)です、第2・8・9号住居跡は床面から多量の炭化物が検出されており、焼失家屋の可能性が考えられます

土壙は3基検出されています、第2号土壙については出土遺物から古墳時代前期の所産であると考えられます、第1・3号土壙については遺物が皆無であるため時期は分かりません、第1号土壙は形態から井戸跡と思われます

溝は6本検出されています、第2号溝を除いては時期など不明な点が多いです、第2号溝は全容が明らかでないため不明な点もありますが、土器やガラス小玉の出土遺物から古墳時代前期前半の五領期の方形周溝墓とも考えられます

掘は調査区の中央及び東部分に南北に縦断するように3本検出されています、3本ともV字形あるいはU字形を呈する薬研掘であり、僅かですが出土遺物から中世に比定される時期のものです