2012-02-05 蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る 考古・歴史 #人類学と考古学 《戸田の遺跡》 ◇南原(高知原=たかちぱら)遺跡第1次発掘調査ー⑨ (7) 総括 【古墳の周掘】・続 調査範囲内の周掘からは人物埴輪頭部、大物埴輪の部分、器材埴輪の破片、円筒埴輪が出土しています、このうち円筒埴輪は鴻巣市生出塚(おいねづか)埴輪窯で作られたもののようです、埴輪の供給頒布を知るうえで重要な手がかりを提示しているものと思われます 周掘内からの土師器や東海地方の編年でⅢ末に比定できる須恵器の坏が発見されており、埴輪の存在とともにこの古墳の築造年代を6世紀末から7世紀初頭に位置づけることができます、なお、この南原(高知原)の古墳址の北東約500mに、1基の小円墳を確認しており、この周辺一帯(後に上戸田本村遺跡と命名された)に大古墳群址が発見できるものと思われます 【中世の溝】 荒川の旧堤外にあたるこの南原(高知原)遺跡を含む一帯は鎌倉から室町時代にかけて大きな屋敷地(もものいのやしき)であったとの伝承がある地域です、今回発見された溝状遺構は溝内出土の陶器片などと考えあわせると中世のものと思われます、今後、この溝の追跡調査を行い、その性格を明確にしたいところです