入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

《戸田の遺跡》

◇南原(高知原=たかちぱら)遺跡第1次発掘調査ー⑦

(7) 総括

【方形周溝墓】

戸田市内では、昭和42・43年に調査した鍛冶谷・新田口遺跡で12基の方形周溝墓が確認され、その方形周溝墓の平面形形態を3っに大別してその形態の変遷を捉えることができました

この南原(高知原)遺跡の方形周溝墓は溝が狭く浅いもので、全体の平面プランは楕円形を呈し、東溝中央部が開いている形態のものであり、鍛冶谷・新田口Ⅲ形態の鍛冶谷第3・4号、新田口第3・6号と同じ形態のものです

溝内からの出土品は、すべて土器類でしたが溝に置かれた状態を呈しているものはありませんでした、土器は北溝および南溝の東側コーナー付近に破砕された状態でバラバラに出土しました、北溝、南溝それぞれの溝内の土器に若干形式の違いがみられましたが、北溝の土器(五領Ⅱ式)の方が支配的でした

又、方形周溝墓の平面プランも鍛冶谷・新田口遺跡で明らかになったように、方形がくずれ楕円形ないしは小判形を呈するもので、方形周溝墓の終末期の形態とみて差し支えないようです、今回の調査では1基しか発見できませんでしたが、この地域には未だ数基の方形周溝墓が発見できると思われます