入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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《戸田の遺跡》

戸田市の遺跡については、かなり前におおまかに掲載しましたが、詳細な調査報告が揃いましたので、改めて詳しくお知らせします

◇南原(高知原=たかちぱら)遺跡第1次発掘調査ー③

(2) 古墳の周掘

各トレンチで溝内より埴輪片を出土する溝状遺構が確認できました、これらは同一性のものと思われます、1・2・3トレンチの拡張では周掘のコーナー部が、4トレンチでは「くびれ部」らしき部分が発見されましたが、全容は明らかではありません、図面上から推測すると南北に軸をもつ前方後円墳の様相がうかがえます

これはコーナー部の確認と「くびれ部」に於ける遺物の出土状態からの推測ですが、結論は2次調査を待つことになります、一応古墳の周掘として報告します

古墳の周掘の掘り方は、第3トレンチで見るとまず地山の黄褐色粘土層を垂直に掘り、その頂点を斜めに削り落とし稜線の崩れるのを防いでいます、掘り込みの深さは0.6mで、底部は平底を呈しています、周溝の外側は内側の掘りこみとは対称的に斜めにだらだら傾斜しています、周掘の上幅は4.5m下幅は3mです

周掘内に堆積した土層は、内側から粘土化した暗褐色土が流れこんで、底部全面を覆っています、その上に同じく内側から黄色粒子を多量に含んだ黒褐色土が流れ込んでいますが、中央よりやや内側寄りに黒褐色砂質粘土のかたまりが混じっています、一方、外側ではこの黒褐色土層の上部に暗褐色粘土が堆積しています、だが、この周掘の中央にかく乱層があったために、遺憾ながら層序の全体を観ることはできません

遺物は第3トレンチ周掘内で墳丘より転落した状態で、口縁部を下に向けて斜めに倒立して円筒埴輪が出土しました、第4トレンチでは人物埴輪の頭部・手が発見されました、また、各周掘内から多量の円筒埴輪片・器財埴輪片が出土しました