2012-01-29 蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る 考古・歴史 #人類学と考古学 《戸田の遺跡》 戸田市の遺跡については、かなり前におおまかに掲載しましたが、詳細な調査報告が揃いましたので、改めて詳しくお知らせします ◇南原（高知原＝たかちぱら）遺跡第１次発掘調査ー② 今回の調査で、発見した遺構は方形周溝墓１基（第１溝）、古墳の周掘（第２溝）、及び中世の溝状遺構（第３・４溝）です、これらは最下層の黄褐色粘土層を掘り込んでつくられたものです、いずれも調査範囲に限界があったこと、完掘していないことで詳細については第２次調査にゆずりました (1) 方形周溝墓 西溝は、宅地となっていて調査できず、全形を知ることはできませんでした、周溝は隅丸方形よりむしろ円形に近い形をしたものです、東溝では中央を欠いています、大きさは南北９．８ｍで、溝の幅は南・北溝とも０，７ｍでほぼ一定しています、コーナーから東溝に移行するにつれて僅かに広がっています、東溝の中央の溝の途絶えた部分の幅は約３．３ｍです 溝底は平らでコーナー付近から東溝に移行するにつれてだんだん浅くなっており、中央の開口部では緩やかに立ちあがって消滅しています、溝の断面は緩やかなＵ字形を呈しています、溝中の土層は殆ど同一の粘土質の黒褐色土が堆積しています、方台中央部は大きく撹乱されており、土壙の検出はできませんでした 遺物は南溝中央部より焼成後穿孔の壺形土器底部片、東溝南部より壺形土器口縁部、小形手揑（こね）土器が発見されました、また、南東及び北東のコーナー付近でより多くの遺物が検出されました
