入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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”夢まぼろしのような蕨駅前のダンスホール・昭和10年”-4

蕨市立歴史民俗資料館 紀要 第7号より

浦和町で営業していた「フレンドダンスホール」の経営者の森氏は、昭和9年(1934年)頃より川口町への移転を計画し、いろいろと活動していましたが、用地買収がなかなかうまくいきませんでした、そこで川口町への移転をあきらめ、他の場所を探してしていたところ、浦和に隣接している蕨駅前の土地を借りることができ、そこでダンスホール開場することにしました(註18)

さっそく建築にとりかかったのですが、さまざまな問題が持ち上がった結果資金難となってしまいました、そこで、東京赤坂溜池の「フロリダダンスホール」のオーナーである河野静氏を共同経営者に迎え(註19)、その資金援助を受けた結果、1年後の昭和10年3月24日、店名も「シャンクレール」としての開場にこぎつけました(註20)

「シャンクレール」が開場した当時の蕨は、昭和7年9月の赤羽大宮間の電化完成、同8年8月の国道9号(現国道17号)の開通などが相次ぎ、東京からの交通の便が非常に良くなっていました、更に言えば、蕨町の中心は中山道沿いの旧蕨宿の町場があった所であり、東京が近いわりには蕨駅の周辺は田んぼが点在するなど、あまり開発が進んでいなかったのです(註21)、従って夜遅くまで営業するダンスホールにとっては、非常に都合のよい土地環境であったのです