入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

◇ 蕨の歴史ー60

三世一身法・墾田永年私財法により、以後大社寺・貴族・在地豪族などにより、大規模な荘園経営が行われるようになります、自墾地系荘園の成立です、なかでも、有力な社寺・貴族は自己の政治的地位を利用し、租税免除の不輸権や国司の介入を排除できる不入権などを利用して、墾田を私領化していきました

こうした状況のなかで、政府は在地豪族の私有地から租税を徴収しようとしました、そこで、在地豪族らは徴税を逃れるために、開発した土地を有力社寺や貴族に寄進し、彼らを本所や領家とし、自らは荘官として土地の実質的な所有権を確保するようになっていきます、これが、寄進地系荘園と呼ばれるものです

荘官となった在地豪族たちは、当初は荘園領主である社寺や貴族に従っていましたが、次第にその支配を拒否しはじめ、独立した私営田領主へと成長していきます、そして彼らは、自己の支配地を守るために武装するようになっていきます、武士の発生です

こうして出現した武士たちは、血縁を中心とする同族的な結合により集団を形成していましたが、やがては地縁関係などを通じてまとまり、さらに大きな集団へとなっていきます