入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

◇ 蕨の歴史ー39

このような古墳群のそれぞれの特徴に注目して見ます

大久保古墳群中の白鍬塚山古墳はその周堀から、5世紀第3四半期の朝顔形円筒埴輪が出土しています、大久保古墳群の中に、この時期まで遡る古い古墳があったことは驚異的です、また、塚山古墳は前方部を欠いていますが前方後円墳の可能性があります、したがって、前期古墳に属するのかも知れません

川口市の高稲荷古墳は、今はありませんが、長軸75mの前方部未発達の前方後円墳であり、発生期の古墳とされています

以上3基は、古式古墳で、古い河川の下流域の自然堤防地帯とその周辺に、生産地と集落をもった弥生時代以来の社会に及んできた古墳文化の古い姿を伝えるものと言えるでしょう

一方、戸田市域では、4世紀代には、弥生時代の伝統ともいうべき方形周溝墓が根強く残っています、鍛冶谷遺跡・新田口遺跡・南原遺跡・前谷遺跡・上戸田本村遺跡などがそれであり、古墳時代前期の五領式土器を伴っています、蕨市域でも今後、微高地でこの時期の方形周溝墓が発見される可能性は高いでしょう

大久保古墳群のうち、かね山古墳・白幡古墳群・戸田市の南原遺跡などは、6世紀末ないし7世紀初頭の後期古墳の典型でしょう、この時期は、鬼高式土器の時期にあたり、各地でその集落跡が明らかにされています、土合古墳群中、本杢(ほんもく)古墳は方墳で、終末期の古墳とされています