2011-03-31 蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る 考古・歴史 #人類学と考古学 ◇ 蕨の歴史ー35 最近の古墳文化研究は、著しく発展しています、埼玉県内においても4、5世紀代のいわゆる古式古墳(初現期古墳)についてかなりの注意が払われ、その研究はかなりの成果をあげつつあります かつては、昭和3年発見の桶川市熊野神社古墳(円墳)出土の石製および銅製品が一際目立った古墳資料として注目を浴びていました、年代的にも4世紀から5世紀初頭と特に古く、中央の古墳に匹敵する内容であったからです また、埼玉古墳群においても大規模前方後円墳の群ということで、内容吟味までには至っていませんでした、そうした中、発掘調査で、児玉郡美里町の長坂聖天塚古墳(円墳)では、石製摸造品とともに方格規矩鏡(ほうかくきくきょう)が発見されるに至り、発掘調査で5世紀前半から中頃の古墳であることが明らかになったのです 古い古墳が確実に存在するという考え方の他に、一方では小規模な古墳の群在を終末期の群集墳とみなしていた場合も少なくなかったのです、特に蕨市域に近いさいたま市の大久保古墳群などはその典型です しかし、埼玉古墳群中、稲荷山古墳(前方後円墳)の整備にあたり行われた発掘調査で出土した鉄剣の銘から、具体的被葬者の系譜やその年代などをさぐる作業が始められるようになりました、また、大里郡江南町の塩古墳においては4世紀の古墳ということが明らかになっています