入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

◇ 蕨の歴史ー33

この2遺跡からは弥生時代後期の方形周溝墓が発見されています、鍛冶谷1号方形周溝墓は、東西が13m、溝幅1・3mから1・7mというもので、方形周溝墓としてもやや規模が大きいものです

溝内からは、土器が出土しました、最初の偶然の発見を含めて2個の壺形土器が出土しました、美しい形をした弥生式土器で、底部に焼成後の穿孔(せんこう)があります、方形周溝墓の溝内から発見される壺形土器は、例外なく底部あるいは胴下部に穿孔が見られます、この世とあの世での道具の区別でもあり、埴輪壺、円筒埴輪への発展の基礎とも考えられます

鍛冶谷1号方形周溝墓出土の弥生式土器は、東海系の弥生式土器です、先に述べましたように、大宮台地周辺の弥生式土器は、東海系、信州系、上州系などいろいろと、その経由してきた土地の特徴をもっています

ともあれ、各所で方形周溝墓が発見されきつつあることは、すなわち、弥生村落が確実に成立していたものと期待されます、自然堤防の一連の中にある蕨市域の於いても同じことが言えるでしょう