入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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◇ 蕨の歴史ー21

馬場小室山遺跡の第51号土壙は、長径4・40m、深さ2・60mの円筒状の遺構であり、この中から30個体にも及ぶ完形または復原できる土器が出土しました、その殆んどの土器が、縄文時代晩期の安行Ⅲa式とされる粗製土器で、中には文様をまったく持たず、直立もせず、器面も粗雑な仕上げというものがありました、そして多くは、残滓(ざんさい)が付着していました、これらは日常雑器と思われます

この土壙には、灰の層があり、イノシシ・シカの獣骨なども含まれていました、この深い土壙は、食物貯蔵穴と思われます、土中深くに貯蔵し、常温で食物を長持ちさせるために、人間が早くから生活の知恵として見出した一つの方法であったことを示しています、また、この土壙から、注目される遺物が出土しています

それは、人の顔が描かれている土器です、高さ14・8cmの深鉢形土器で、正面に人面の絵があります、絵といっても眉と鼻は立体的で、もみあげからあごひげ、口ひげ、まつ毛まで描き、髪は長髪で向かって左になびいています、他に装飾はなく顔を主な文様にしています