入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

◇ 蕨の歴史ー18

戸田市本町地内の湿地から、ほぼ全体の形がわかる十三菩提式土器が発見されています、流れついたものか、実際にそこの地で使われたものか明らかではありませんが、沖積地を移動することができる時期の土器であるだけに、注目されます

もし、その場で使われたとしたら、十三菩提式土器をもつ人々は、前述のように狩猟をしながら移動して行ったということとどう結びつくのか検討する必要があるでしょう、彼らが本当に沖積地を渡って来たのかも知れません

ともあれ、十三菩提式土器は小破片の出土を常としている大宮台地周辺においては、この土器は驚くほど完全なものです、よほどのことがなければ、投棄されることがないものと思われます

戸田市美女木の番匠免(ばんしょうめん)遺跡からは、縄文時代中期前半の阿玉台(おたまだい)式土器と勝坂式土器が出土したほか、打製石斧や石皿が出土しています、これこそ、微高地(自然堤防)か中洲に滞在した人々の遺物でしょう

この時期には、こうした形で沖積微高地が利用されるようになったわけです、ただ、本格的な集落というわけではないでしょう、蕨市域においても、沖積微高地面は、各所で確認されており、水辺の食物採集は、活発に行われていたものと期待されるところです