入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

◇ 蕨の歴史ー12

最後の氷河期も終わり、温暖化が進み、やがて洪積世から沖積世(完新世=現在まで含まれる)へと移ります、この沖積世に入るころ人々は縄文時代に入ります、そして、土器の出現を見るのです

縄文土器は、早期・前期・中期・後期・晩期と分類されていましたが、早期初頭の土器よりもさらに古い土器が、奥羽地方から九州まで、各地で発見されるに至り、最近では早期の前に草創期を設定しています

近隣では、さいたま市緑区大崎のえんぎ山遺跡からそうした古い土器が発見されています、出土した土層は、ハードローム層の上層で、土器は、微隆起線文、爪形文、撚糸側面圧痕文、それに無文土器などとされるものです

次の 早期では遺跡数は増えます、土器は形の良い丸底やとんがり底となります、そのままでは立たない土器です、使う時にだけ立てるというのは、食物を煮る時にのみ使ったことが考えられます

縄文式土器と呼ばれるように、撚った紐(縄)を土器の器面にあてこれを転がしてつけた文様(縄文)が縄文時代を通して行われているのは注目すべきことです 、これに先行する草創期にも見られますが、早期初頭に本格化しています

もちろん、縄文以外の文様もそれなりに消長が見られます、たとえば、早期だけでも、撚糸文(撚った紐をコイル状に棒に巻き、これを器面にあて転がす)、沈線文、押型文(刻み目をつけた丸棒を回転させてつける)、貝殻条痕文など多様です

早期に入って、著しく多く見られる遺物に石鏃があります、弓矢の矢尻です、狩猟に弓を使うことを始めたのです、そして、魚介類を採集してこれを食料とすることも縄文時代に入って始まります、気候は温暖化が一層進み、大宮台地周辺は海浜となり、人々は、海と付き合う生活を繰り広げるようになります