入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

学び合い 〔仲間募集〕 ℡ 048-432-1433

蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

◇ 足立郡衙と足立氏-21

この2つの戦乱は、武士階級が初めて歴史の表舞台に登場してきた事件であり、その実力をまざまざと見せ付けるものでした、これらの乱には多くの武蔵武士が参加しており、その様子を描いた『保元物語』や『平治物語』には、秩父・横山・丹・児玉・猪俣・村山・西などの武士たちが名をとどめています

こうした武士たちの中に、足立郡の住人<足立遠元>がいます、「足立系図」(東京大学史料編纂所蔵)によると、遠元は藤原氏の出自で、その父遠兼の時から足立郡に住んでいますが、平将門の乱に登場する足立郡司武蔵武芝の子孫とする説もあります

遠元は義朝に従って活躍し、平治の乱において義朝が一時的に成功を収めた際には、右馬允(うまめじょう)になっています、平治の乱の敗戦により源氏が没落すると、遠元は足立郡に帰って逼塞し源氏の再興を待っていたようです、治承四年(1180年)伊豆に挙兵した源頼朝が房総三国を手中に収めて武蔵国に入ると、豊島氏・葛西(かさい)氏などの武士と共にこれを出向かえています