入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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◇ 東国の古代豪族と仏教ー6

埼玉県埋蔵文化財調査事業団副部長 高橋一夫氏 論文より

「各国の造寺の様子を郡単位でみてみると、郡によってはまだ寺院跡が確認されていないところもあるが、基本的には有力豪族のいた郡は、国分寺造営以前に寺院を建立している場合が多い、このように仏教は日本に伝来したときから、国家との結びつきよりも氏族との結びつきのほうが強かった、もとより畿内の有力な寺々も有力氏族によって建立されたのである」

「こうした仏教も律令体制の整備をはかる必要性から、次第に支配の思想的背景として、政治に利用されてゆくのであった、その様子を、北武蔵をひとつの舞台としてながめてみよう」

「最近、群衙と推定される遺跡が相次いで発掘調査され、地方官衙の研究が急速に進展した、こうした研究成果によると、群衙は7世紀末から8世紀初頭に出現する例が多く、更に大宝律令以前の『評』(ひょう)と呼ばれていた時代の官衙遺跡の存在も知られるようになってきた」