2011-01-02 蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る 考古・歴史 #人類学と考古学 明けましておめでとうございます、本年もよろしくお願いします ◇ 想定される関東の地名の起こり 関東地方の地理・歴史を考える上で重要な要素となる地名の起こりについては、確たる遺物はありませんが、尾崎喜左雄氏は次のように想定しています(「毛野の国」・『古代の日本⑦関東』角川書店刊) 「関東地方の古代の国名の由来を見ると、例えば相模・武蔵両国は、『むさかみ』『むさしも』から前者では『む』、後者では、『も』が脱落したものと考えられる、もとは『むさ』であったろう、また、常陸国は日高見国の『ひたかみ』と相並んで、『ひたしも』であったのではなかろうか、hitashimoからhitachiに変化し、『も』は脱落したもので、もと『ひた』であったとみられよう」 「このようにみてくると、上下に分かれる以前の関東は『むさ』『ふさ』『ひた』『けぬ』の地方に分かれていたようにも考えられる、いずれも二音の地名である、しかも、この地名が上下に分かれるについては、そのどれもが近畿地方に近い方を上としている、すでにこの上下をつけた地名の成立時には、近畿地方の影響があったことを知りうるのである」