入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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◇ 日本のポンペイ黒井峯・西組遺跡ー7

高床式建物の調査では、籾や壺・甕類がたくさん出てくるであろうと期待していたのですが、穀物類や壺・甕類はひとつも出ず、空の状態でした、このことは、この遺跡では屋根の破壊が著しいという共通点があり、火山活動の終息後持ち去られたことを示していると思われます

高床式建物の特色は1世帯単位で1~4棟持ち、脇に祭祀場が設けられていることが多いようです、建物自体は3m四方の小型で、2間2間の総柱となっており、外観は平地式建物と同様に草壁草屋根構造です、柱は、竪穴式住居と同程度(径15cm)の細い丸材を使用し、床高は地面より60cmの低さで登呂遺跡のように高くはありません、床下の空間は外周を網代で覆うものもあります、なお、放火で燃えた床上から1度も使われたことのない坏が30個まとまって発見され、食器も保管されていたようです

以上の建物の種類をみてきましたが、その他の構造物として柵列・柴垣が家屋群や畠の外周を囲っていることがあります、特に柴垣は、垣根のように柱を50~80cmに立て横木を4段にして木の板や茅などを葺いたもので高さは約130cmです、距離は長いものになると約200mにも達しますが、冬の強烈な季節風があるにもかかわらず、倒壊防止のための控え柱としての支柱が1本もないことから、外部を完全にさえぎる構造でなく、透けて内部も見えるような造りであったようです