2010-12-09 蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る 考古・歴史 #人類学と考古学 ◇ 古墳時代の人々の暮らしー3 鉄製品の普及は弥生時代後期からみとめられていますが、それは主に工具類であり、農具は木製品が主役でした、古墳時代になると特に5世紀以降、改良型の鉄製農具が伝わってきました、鍬や鋤の刃先に改善が加えられ、より深く土を掘ることができるようになりました、また、大規模な用水路の掘削は、耕地の拡大をもたらし、生産力の増大をもたらしました 毛長川流域の低地帯の微高地上に集落が増加するのも、広い低地を開発できるようになったことと関連していると云えます、鉄製農具といえば鎌も改良型のものが伝わり、刈り取りの効率を高めることとなりました 古墳時代に普段使われた容器は、弥生土器の伝統を引き継ぐ赤色をした土器でした、これは土師器と呼ばれていますが、この他に5世紀になって新しく伝わってきた焼き物に須恵器があります、須恵器は灰色をしており、硬くて割れにくく、専用の窯で蒸し焼きにしたものです、極めて高度な技術を要し、専業家集団の製作によるものであり、しかも、祭祀に使われたもののようです 毛長川流域はこの須恵器の流入においても内陸部への中継基地として重要な役割を果たしたものと思われています