入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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◇ 古墳時代の人々の暮らし-2

一般の人々の住居は引き続き竪穴住居が主流でしたが、大きな変化もありました、住居内にこれまでの炉に代わって、竃(カマド)が登場することです、カマドは、一方の壁(東か北の壁)に寄せて粘土をつき固めて築いたもので、、焚き口が住居内にあり、煙を外に出すための横穴(煙道)があります、上部に釜の役目の甕(かめ)をすえる穴があり、煮炊きが効率よくできるようになっています

カマドの脇には貯蔵穴があり、その周辺からは甕(かめ)・甑(こしき)・高坏(たかつき)・坏などの土器が多量に出土する場合が多いようです、これは貯蔵穴の上部に、調理用具(土器)を置く棚があり、それが落下した状態で出土するためと考えられます

カマド・貯蔵穴・食器棚と三拍子が揃い、しかもこの周囲が土間であった可能性が高いことは、住居の一角に台所(厨房)が生まれたことを意味します、台所と寝る場所がわかれたということであり、住居内の間取りがはっきりしてきたわけです

また、調理用具にもカマドに合わせた変化がみられます、カマドにかけられるように甕(かめ)が長くなり(煮沸)、これと組合わせる甑(こしき)も大型化し食料を蒸す機能も高まりました、蒸して糒(ほしいい)とし、保存食とすることも多くなったのです

カマドは、それにまつわる信仰ももたらしました、川口市東本郷の石御堂遺跡から、鏡を模したと思われる小型の石製品や土玉が出土していますが、石製摸造品や土玉は祭祀に使用された品ですが、これらはカマドの周辺から出土する場合が多いようです、カマドは近年に至るまで「おかまさま」と呼ばれ、住居内の中心として神が宿る神聖な場所とされていました、カマドの普及とともに、カマド神の信仰も広まったと考えられます