入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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◇ 吉岡遺跡(奈良・平安時代

この遺跡は、川口市吉岡(立ノ崎)にあります、鳩ヶ谷支台の中央に位置し、1976年に首都高速道路の建設に伴って調査されました、旧石器・縄文・平安の各時代の遺構・遺物が認められている複合遺跡です、遺物の分布は全体に希薄で、表面的には殆んど不明で散布的な様相です

遺跡は、縄文時代後期初頭の住居跡2軒などが検出され、また、平安時代の土師器甕形土器を利用した蔵骨器が1点単独で出土しています

☆ 1号土壙

暗褐色土層に掘り込まれ不整形を呈しています、径約50cm、深さ約20cm、底面は中心が擂鉢状に凹んでいます、やや南側より土師器甕形土器が正位に埋没され、周辺には、直径5cm前後の炭化木が土器を囲むように出土しています、壙内には焼土粒子は認められず、明らかに別地点で焼成炭化したものと思われます、土器内の充填土には、木炭・焼土・骨片などが小ブロック状になった黒褐色土で、骨片は殆んど原形をとどめておりません

☆ 出土土器

口縁が「く」字に開き、胴部上半に最大径を有する甕形土器で、底は強くすぼまり、平坦で小さな底面をしています、内外面ともに強いヘラ削りを受け、器厚は約4mmと非常に薄手の作りです、色調は赤褐色を呈し、焼成は良好です、9世紀前半のものと思われます