入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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伊興遺跡補習ー8

◎伊興遺跡の地理的環境(ⅰ)

東京都北東部に位置する足立区は、北部は北を毛長川、西を芝川・荒川を境とし、埼玉県川口・鳩ヶ谷・草加・八潮各市と、南部は墨田川を境に北・荒川・墨田区と、東部は中川にそれぞれ境を接しています

地理的にいえば、北を大宮台地、東を下総台地、西に武蔵野台地と三方に囲まれた東京東部低地北辺部に位置しています、足立区内の標高は、北西部(舎人地区付近)で東京湾中等潮位(T.P.)5mと最も高く、逆に北千住付近ではT.P.-1mほどとなります、大きくは南部に向かって、緩やかに傾斜をもっているが、平坦で起伏に乏しい地形です

しかし、微視的には毛長川や墨田川、中川などの流域に自然堤防の発達も認められます、毛長川流域にもT.P.3~4mほどのこうした自然堤防が形成されており、毛長川左右両岸とも古代遺跡を発達させています

伊興遺跡もこうした遺跡の1つであり、毛長川右岸に形成された遺跡です、右岸に展開する他の遺跡として白旗塚古墳群(№10)・東伊興遺跡(№28)が、また、舎人遺跡(№2)・氷川神社境内遺跡(№3)・入谷古墳(№4)・若宮八幡神社遺跡(№17)・法華時境内遺跡(№19)・花畑遺跡(№20)・大鷲神社境内遺跡(№23)などがあります、これらの遺跡は最近になって調査されたため、ようやくその実体が解明されつつありますが、いずれも形成は古墳時代以降であることが注目されます

毛長川右岸には上記の遺跡の他、毛長川上流には鳩ヶ谷市三ッ和遺跡などもあります、また、埼玉県側の毛長川左岸にも、西地総田・東地総田・蜻蛉遺跡(埼玉県草加市)、石御堂遺跡(川口市)などの遺跡があります、いずれも古墳時代から集落の形成が本格化した遺跡とされ、右岸の遺跡群とともにほぼ同時期に開拓された遺跡であろうと思われます