入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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考古学で読む「日本書紀

武蔵国造の乱”(大田区立郷土博物館編)より 総習[2]

初期の武蔵の古墳をみると、橘花で白山古墳(全長87m)、田園調布で宝萊山古墳(全長100m)があります、これらは共に前方後円墳で、鶴見川下流域と多摩川下流域に相対するように位置しています、この白山古墳では後円部木炭槨から三角縁神獣鏡が出土しています

これは、京都府・椿井大塚山古墳(3面)、山口県竹島御家老屋敷古墳(1面)、福岡県・神蔵古墳(1面)の出土鏡と同じ鋳型で作られた同笵鏡です、小林行雄氏の研究によれば、三角縁神獣鏡は椿井大塚山古墳を中心に日本各地に分け与えられた政治的意味合いの強い鏡とされ、その分布は初期大和政権の勢力範囲を示すといわれています

同じく、三角縁神獣鏡の同笵鏡に関していえば、上毛野の前橋天神山古墳(全長129m)と奈良県桜井茶臼山古墳との関係も注目に値します、桜井茶臼山古墳は代表的な初期古墳ですが、前橋天神山古墳も関東地方では最古の前方後円墳の一つとして知られており、両者が強い政治的関係にあったことが考えられます