入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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金錯銘鉄剣(辛亥銘鉄剣)と埼玉(さきたま)古墳群 [59]

更に、有力な学者、研究者の考察をたどってみる

◇ 高橋一夫氏(埼玉県立博物館長・近著「鉄剣銘115文字の謎に迫る」より)の考察 ⑩

前方後円墳の周濠は後円部と同じカーブを描く盾形が一般的で、長方形周濠は稀である、にもかかわらず、なぜか埼玉古墳群は長方形周濠が採用されている、これが埼玉古墳群の特徴のひとつであるが、なぜ長方形なのだろうか」

前方後円墳が長方形の周濠で、東国には古墳時代初頭に前方後方墳が多いことから、その影響とする説もある、しかし、前方後方墳前方後円墳が出現する4世紀には消滅し、稲荷山古墳が出現するまでに100年以上もあるので、埼玉古墳群の長方形周濠がその影響下に成立したは理解しがたい」

「また、千葉に長方形周濠をもつ古墳は4基存在するが、6世紀前半ないし6世紀後半の古墳であり、稲荷山古墳より後出の古墳なのでその影響とすることもできない、外部からの影響でないとすると、その要因は内部にあると考えざるを得ない」

「そこで、古墳に盛られた土量と周濠を掘った土量を計算すると、最初に造営された稲荷山古墳は周濠を掘削した土で墳丘を築くのに足りるが、他の古墳はその土量だけでは到底足りないことが判明した」