入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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金錯銘鉄剣(辛亥銘鉄剣)と埼玉(さきたま)古墳群 [57]

更に、有力な学者、研究者の考察をたどってみる

◇ 高橋一夫氏(埼玉県立博物館長・近著「鉄剣銘115文字の謎に迫る」より)の考察 ⑧

「埼玉古墳群では6条・4条・3条・2条の円筒埴輪が確認されている、突帯数と古墳の関係をみると、6条突帯の円筒埴輪を樹立した古墳は稲荷山古墳と二子山古墳で、丸墓山古墳と鉄砲山古墳もその可能性が高い、4条突帯は将軍山古墳、瓦塚古墳、3条突帯は愛宕山古墳、奥の山古墳で、2条突帯は小円墳に樹立された」

「つまり、6条突帯の円筒埴輪をもつ古墳は、丸墓山古墳を除き方位A系列の古墳である、丸墓山古墳の円筒埴輪は全体を把握できるものは出土していないが、土量から推測しても二子山古墳の被葬者に匹敵する力をもっており、鉄砲山古墳も方位A系列の古墳であることから、丸墓山古墳と鉄砲山古墳も6条突帯の円筒埴輪を樹立されていたとしても不思議ではない」

「4条突帯は方位Cの将軍山古墳と方位Bの瓦塚古墳である、将軍山古墳は6世紀後半の造営で埴輪祭祀が衰退する時期であり、つぎの中の山古墳は埴輪の代替品として須恵器埴輪壺が配列された、将軍山古墳では3条突帯も出土しているが、器高は4条突帯をうわまわる、方位B系列の古墳には3条突帯の円筒埴輪が樹立された」

「以上のように、埼玉古墳群では、6条突帯は方位A系列の100メートル級の古墳に、4条・3条突帯は将軍山古墳を除き方位B系列の古墳に、2条突帯は小円墳に採用されたという法則が認められる」