入倉伸夫のシニアライフ-蕨市塚越-

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蕨、戸田、川口、鳩ヶ谷の古を探る

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金錯銘鉄剣(辛亥銘鉄剣)と埼玉(さきたま)古墳群 [11]

稲荷山古墳の礫槨では、はじめ北寄りの床面近くから鈴杏葉(すずきょうよう)が出土しました、そして、滑沢のいちじるしい白銅鏡が、表面を上にした状態で表れました、そのそばには、金環もほぼ両耳の位置で、つづいて、ヒスイの勾玉も検出されました

礫槨内から検出されたものは、次のような物です

画文帯環状乳神獣鏡1、勾玉1、銀環2、金銅製帯金具1具分、直刀4、剣2、鉾2、石突1、挂甲1具分、鉄鏃約200、轡(くつわ・f字形鏡板付)1、雲珠(うず)、鉸具(はさみ)6、辻金具、環鈴1、鈴杏葉3、鞍橋(くらぼね)金具、鞖(しおで)金具2、輪鐙(わあぶみ・木芯鉄板張)、鉄斧2、鉇(やりかんな)1、鉗(けん・かなばさみの類)2、鑷子(ちょうし・けぬきの類)1、刀子2、砥石1

粘土槨の方は、撹乱された跡なので、良好な状態では検出されず、ただ次ぎのような物だけが残されていました

直刀片、挂甲小札片、鉄鏃片、鉄鎌1、辻金具2

副葬品といわれるこれらのものは、死者の生前に使用したものを中心として、死者とともに葬り、死者の埋葬の儀礼を厚くしたのでしょう、死とともに、生前に使用したものを死の世界に送葬させて伝世を考慮せず、その用途は死とともに終結したことを意味します、尚、礫槨出土の「剣2」の中に金象嵌による115文字の銘文のある鉄剣1振りが含まれています